【高校野球】26日選抜出場校発表 史上最東端の甲子園出場は叶うか 人よりも牛が多い町 別海町がみんなで夢見る甲子園

高校野球！

26日、選抜高校野球、32の代表校が発表されます。
　今年の21世紀枠の候補には北海道から選手16人の別海高校が選ばれています。町の人たちに支えられて大きく成長した球児たちに吉報は届くのでしょうか。

　牛の数が人口のおよそ８倍。日本で最も牛が多い町、別海町。
　別海高校野球部の実家の多くは酪農家です。

千田和幸さん
「こういう地域なので、全道大会に行くのも大変苦労していた中で、今回こういう結果なので、ただ本当にうれしいですね」

千田千春さん
「（21世紀枠候補の）９校に選ばれるということがすごいことなんだと改めて実感しました」

別海高校野球部 千田涼太選手（２年）
「（小さい時からお手伝いは）してました。（野球部入部の理由は？）地域に応援されているチームだし、自分もここに入って甲子園行けたらなって思って」

　午前３時半、朝の早い酪農家よりも早く動き出している人がいます。
　野球部監督の島影隆啓さん。島影さんはセイコーマートの副店長と野球部監督の二刀流です。

別海高校野球部　島影隆啓監督
「ホットシェフで監督はいないと思います、たぶん日本で１人しかいないのかな」

　夜が明ける前に、北海道民にはおなじみ、ホットシェフの商品を黙々と作り、勤務を終えると、８時過ぎには店から10キロ以上離れた野球部の元へ。

別海高校野球部　島影隆啓監督
「実戦練習ができないとか、打球を追った形での走塁練習ができないところで最初苦労して。弱かったんですよ、練習試合全く勝てなくて。でも人数少ないから練習きつくて、誰もこんな東の端にある小さい町の小さい学校が甲子園なんて無理だよって思ってると思うんですよ。でも、努力すれば必ず夢かなうっていうふうにやってきたので、本当に（甲子園に）行ったときに、別海町ひっくり返るぞと」

　島影監督が就任した2016年、選手はわずか４人でしたが、このときから別海高校野球部は変わり始めました。
　
　別海から甲子園へ…地元の子供たちが見る夢に町民も動き始めました。

地元の電気工事会社　橋本淳一社長
「生徒数がうちの町も少子化とともに少なくなってきている。それらを解消するためには、どういう取り組みが必要かと」

　町内で電気工事会社を営む橋本さんは、使われなくなったホテルを買い取って改修、野球部も含めた別海高校の寮にしました。

中標津町　影山航大選手（２年）
「ここが自分の部屋です。（実際生活してみてどう？）野球部寮とかじゃないので、野球部以外の生徒とか同級生もいたりするので、いろんな人とコミュニケーションとれたり、遊んだりできるので楽しいです」

別海高校寮生　山口泰樹さん（１年）
「おもしろいやつらばっかりで楽しいです。（野球部が21世紀枠候補に選ばれて）別海高校から全国へ羽ばたくっていうのは、すごくカッコイイし、自慢の友達になります。一生自分の高校が出たことを語れるなと思う」

　暮らす場所だけでなく練習場も、別海町一体となった支援で充実したものになりました。

保護者会会長　中道大輔さん
「網を張り合わせる作業っていったら、やっぱり地元のふだんお付き合いさせてもらっている漁師の人に声をかけようかなと」

　中道キャプテンのお父さんは漁師。
　その呼びかけで仲間８人が集まりました。

漁師　阿部広幸さん
「手伝えることがあったら何でもやりたいなって、常々思っていたから声かけてくれよって感じですよね。（普段のお仕事とは違う作業じゃないですか？）いや同じだよ、なんも」

別海高校野球部　中道航太郎主将（２年）
「前から来るボールの練習ができるようになったので、とてもうれしいです」

別海高校野球部　島影隆啓監督
「僕は胸を張って、日本一の父母会だと思っていますので。こんな手作りで立派な施設、僕らもできると思っていなかったので。もう十分すぎる施設を作って頂いて、本当に感謝しております」

エース　堺暖貴（さかい・はるき）投手（２年）
「支えてくださった方々に感謝して、自分たちのやるべきことをやっていきたい」

　別海に暮らす人も、そこで育った選手たちも一緒に見る甲子園出場の夢。
　21世紀枠２校に選ばれ、甲子園初出場となるか、センバツ出場校の発表は26日です。

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