「ばあちゃんダメ！」帰省中に被災…祖母背負い高台へ避難　「航空高校石川」当落線上もセンバツ選出で被災地も歓喜

高校野球！

春のセンバツ高校野球の出場校が決定した。

被災地の日本航空高校石川が選ばれ、喜びの一報を避難先の山梨で聞く選手の姿もあった。

被災地に吉報が届いたのは、26日午後4時前のことだった。
春のセンバツ高校野球の出場校を決める選考委員会が開かれ、能登半島地震の被災地、石川・輪島市の日本航空高校石川の出場が決定した。

避難所では大歓声が上がり、選手たちの目にも涙がこみ上げた。

日本航空石川野球部・寳田一慧キャプテン「目標だった甲子園という舞台で戦えることに本当に感謝の気持ちを持って」

能登空港に隣接した場所に立つ日本航空石川。

地震で大きな被害を受け、この校舎での授業再開の見通しは立っていない。

26日昼過ぎ、石川・七尾市の避難所で出場校の発表を心待ちにしていたのは、航空石川の野球部員・福森誠也選手の祖母・早瀬舞子さん。

福森選手と舞子さんは被災後、一緒に避難所生活を送った。

日本航空石川野球部・福森誠也選手「(地震直後は)寒かったです。薄着1枚だったので、とっさにすぐ家をみんなで出たので」

福森選手は、舞子さん宅に帰省中に被災。
大きな揺れの直後、何も羽織らないまま舞子さんを背負い、はだしのまま高台に避難したという。

福森誠也選手の祖母・早瀬舞子さん「『誠也もういいよ』って言ったんだけど、『ばあちゃんダメ』って言って、助かったっていうのがもう本当に奇跡」

ピッチャーとして甲子園のマウンドに立つ日を夢見てきた福森選手。
避難所でも黙々と練習を続けてきた。

しかし、授業やチームでの練習ができない状況が続くため、野球部の仲間とともに山梨県にある系列校に生活拠点を移すことを決断した。

山梨で練習を再開した野球部員たち。
祖母のもとにも、福森選手からうれしいメッセージが届いていた。

秋の北信越大会でベスト4だった航空石川は、今回の選考で当落線上だったが、見事、春の大会で3度目となる出場を勝ち取った。

甲子園への切符をつかみ、うれし涙を流した福森選手。

日本航空石川野球部・福森誠也選手「おばあちゃんも震災前からいろいろ心配してくれてて、こういった形でセンバツ出場が決まって早く自分の口から報告したい」

祖母も、その瞬間を見届けると、涙。

福森選手の祖母・早瀬舞子さん「『ばあちゃん、いつか必ず甲子園連れて行ってやるよ』って、それをいってくれてたので夢がかないました」

そして、石川県からはもう1校、星稜高校も選ばれ、4年ぶりに石川勢の2校同時出場となった。

春のセンバツは、3月18日に開幕する。

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